16_従業員教育による仕事に対する意識改革と組織力強化 [平成29年度]

従業員教育による仕事に対する意識改革と組織力強化[平成29年度]

支援テーマ

従業員教育による仕事に対する意識改革と組織力強化 

支援者

商工会名 天龍村商工会
担当主任経営支援員等名 大平 晃資

専門家

専門家名 井坪 まゆ美
主な保有資格
主な専門分野 人材育成、接遇力向上

企業概要

企業名 有限会社 肉の鈴木屋
業種 食料品製造業
資本金 500万円
従業員数 17名

事業概要

創業(設立年月日) 昭和32年 (平成6年10月法人化)
住所 飯田市南信濃和田1348
事業内容 食肉類の加工販売

支援の概要

【企業概要】

 飯田市南信濃(旧南信濃村)にて昭和32年に村の小さな肉屋として創業。主に山肉(山羊、羊、猪、鹿等)の味付け肉を開発し「遠山ジンギス」の名称で販売。販路拡大と共に会社も成長し、平成20年には新工場を設立、生産の拡大と品質の改善に取り組む。

 これまでメディア等に多く取り上げられ、会社や商品の知名度は上昇中。社長は「過疎との戦い」を掲げ、高齢化、人口減少が進む当地区で雇用の維持・創出と地域の活性化を願い事業に取り組んでいる。

 

【経営課題】

会社が成長すると共に従業員も増加したが、会社が組織として動けておらず、高度化する取引先からの要望、顧客からの声に応えられない状況になった。社長から直接、声を掛け指導するも、昔から染みついた仕事に対する意識は改善されず「家業」の域から脱せずにいた。今後、取引先、顧客との信頼関係を維持、構築していくには「家業」から脱却し「企業」へと発展しなければ会社の発展、存続も危ぶまれると感じ、従業員の意識改革へ取り組むことになった。

 

【支援内容、成果】

内部での従業員教育には限界を感じた為、エキスパートバンク事業により外部専門家を依頼して支援し、社長の考えでは、各部署のリーダーを養成したい意向が強く、リーダー研修と全従業員研修の2本立てで研修を実施した。

リーダー研修では、まず自分がリーダーであることを自覚させ、リーダーとしての役割、責務を個々に考えさせ、個々の目標を設定し、発表することにより責任感と意識の高揚を促した。全体研修では社長が作成した会社の歴史を振り返るDVDを全員で視聴し、創業から現在に至る経緯を共有。社長から改めて会社の存在意義を説明し、会社への理解を深めた。経営方針や社長の想い、会社の概要、従業員の行動指針などをまとめた「スズキヤルールブック」の作成にも着手し、その内容を基にそれぞれの行動目標などを設定した。

 

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【研修会の様子】

 

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【従業員の皆さん】

 

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【社長】

 

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【スズキヤ ルールブック】

 

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【スズキヤ ルールブック】

 

 

支援を受けた企業(事業者)の声

人口約1,400人程度で高齢化率55%で過疎化が進む中、住民どうしの絆が強い土地柄のため、家族的な経営組織となっていました。これまでの時代はそれで良かったし、だからこそ経営が安定した側面もあるように感じます。

経営者の私は「従業員は自分の子ども」という気持ちでいるし、従業員も「困った時は社長や会社が何とかしてくれる」という気持ちでいると思います。

しかし、これからの時代、次世代を思うと、家族的要素のある会社としての良い風土は残しながらも、主体的に働く人の集団にしていきたいと考え、商工会へ専門家派遣をお願いしました。

今回の支援により自覚を持ってくれたリーダーも出て来て、少しずつですが、変化を感じます。

この意識の変化が実際の業務の改善につながっていくよう、引き続き取り組んでいきたいと考えています。

 

フォローアップ

定期的に訪問しその後の進捗状況について確認を行う。必要に応じて再度、専門家派遣により従業員教育を実施する。