支援テーマ
支援者
商工会名 | 天龍村商工会 |
担当主任経営支援員等名 | 大平 晃資 |
専門家
専門家名 | 井坪 まゆ美 |
主な保有資格 | ― |
主な専門分野 | 人材育成、接遇力向上 |
企業概要
企業名 | 有限会社 肉の鈴木屋 |
業種 | 食料品製造業 |
資本金 | 500万円 |
従業員数 | 17名 |
事業概要
創業(設立年月日) | 昭和32年 (平成6年10月法人化) |
住所 | 飯田市南信濃和田1348 |
事業内容 | 食肉類の加工販売 |
支援の概要
【企業概要】
飯田市南信濃(旧南信濃村)にて昭和32年に村の小さな肉屋として創業。主に山肉(山羊、羊、猪、鹿等)の味付け肉を開発し「遠山ジンギス」の名称で販売。販路拡大と共に会社も成長し、平成20年には新工場を設立、生産の拡大と品質の改善に取り組む。
これまでメディア等に多く取り上げられ、会社や商品の知名度は上昇中。社長は「過疎との戦い」を掲げ、高齢化、人口減少が進む当地区で雇用の維持・創出と地域の活性化を願い事業に取り組んでいる。
【経営課題】
会社が成長すると共に従業員も増加したが、会社が組織として動けておらず、高度化する取引先からの要望、顧客からの声に応えられない状況になった。社長から直接、声を掛け指導するも、昔から染みついた仕事に対する意識は改善されず「家業」の域から脱せずにいた。今後、取引先、顧客との信頼関係を維持、構築していくには「家業」から脱却し「企業」へと発展しなければ会社の発展、存続も危ぶまれると感じ、従業員の意識改革へ取り組むことになった。
【支援内容、成果】
内部での従業員教育には限界を感じた為、エキスパートバンク事業により外部専門家を依頼して支援し、社長の考えでは、各部署のリーダーを養成したい意向が強く、リーダー研修と全従業員研修の2本立てで研修を実施した。
リーダー研修では、まず自分がリーダーであることを自覚させ、リーダーとしての役割、責務を個々に考えさせ、個々の目標を設定し、発表することにより責任感と意識の高揚を促した。全体研修では社長が作成した会社の歴史を振り返るDVDを全員で視聴し、創業から現在に至る経緯を共有。社長から改めて会社の存在意義を説明し、会社への理解を深めた。経営方針や社長の想い、会社の概要、従業員の行動指針などをまとめた「スズキヤルールブック」の作成にも着手し、その内容を基にそれぞれの行動目標などを設定した。
【研修会の様子】
【従業員の皆さん】
【社長】
【スズキヤ ルールブック】
【スズキヤ ルールブック】
支援を受けた企業(事業者)の声
人口約1,400人程度で高齢化率55%で過疎化が進む中、住民どうしの絆が強い土地柄のため、家族的な経営組織となっていました。これまでの時代はそれで良かったし、だからこそ経営が安定した側面もあるように感じます。
経営者の私は「従業員は自分の子ども」という気持ちでいるし、従業員も「困った時は社長や会社が何とかしてくれる」という気持ちでいると思います。
しかし、これからの時代、次世代を思うと、家族的要素のある会社としての良い風土は残しながらも、主体的に働く人の集団にしていきたいと考え、商工会へ専門家派遣をお願いしました。
今回の支援により自覚を持ってくれたリーダーも出て来て、少しずつですが、変化を感じます。
この意識の変化が実際の業務の改善につながっていくよう、引き続き取り組んでいきたいと考えています。
フォローアップ
定期的に訪問しその後の進捗状況について確認を行う。必要に応じて再度、専門家派遣により従業員教育を実施する。