池田町の中山建築は、長年にわたり地域に根ざした家づくりを続けてきた工務店です。しかし、住宅建築業界を取り巻く環境が大きく変化する中、二代目の中山芳秀氏は、新たな収益の柱を築くため、室内ゴルフ練習場という新分野への進出を決意。商工会では、事業計画の策定から資金調達まで一貫して支援し、新たな事業への挑戦を後押ししました。

中山氏

木材加工場をリノベーションした室内ゴルフ練習施設の外観
同社は、中山氏の父・直芳氏が昭和36年に創業した工務店で、一般住宅の新築・増改築・修繕を中心に、地域に根ざした家づくりを続けてきました。地元の森林組合から仕入れた丸太を自社で製材し、自然乾燥させて家づくりに用いるなど、手間を惜しまない昔ながらの家づくりを大切にしています。事業所敷地内には、こうした家づくりを支える木材加工場があり、製材から乾燥、加工までを一貫して行ってきました。
しかし、近年はハウスメーカーの台頭などにより、地域工務店が新築住宅を直接受注する機会は年々減少。さらに、建築資材のプレカット化や既製品化が進み、自社で木材を製材・加工する機会も少なくなりました。その結果、かつて家づくりを支えてきた木材加工場も、次第に稼働することが少なくなっていきました。
こうした状況に危機感を抱いた二代目の中山氏は、新たな収益の柱を模索。そこで着目したのが、長年親しんできたゴルフと、稼働が減っていた木材加工場でした。池田町のある大北地域では、冬季に多くのゴルフ場が休業することから、年間を通じて練習できる環境に需要があると考え、木材加工場をリノベーションし、最新鋭のシミュレーターを備えた室内ゴルフ練習場へ再生させる構想を描きました。
池田町商工会では、中山氏から新規事業の相談を受け、事業計画の策定から申請まで一貫して支援しました。既存の木材加工場を活用することで建物への投資は抑えられる一方、最新シミュレーターなどの導入には多額の資金が必要となります。
そこで、制度融資や補助金の活用も見据え、国の「経営革新計画」の活用を提案。市場性や事業コンセプト、収支計画を整理しながら事業計画を具体化した結果、その新規性や実現可能性が評価され、計画の承認を受けることができました。
続いて、設備資金の確保に向けて「事業再構築補助金」の申請を支援。経営革新計画をベースに事業計画をブラッシュアップし、申請を支援しました。そして補助事業として採択され、新事業に必要な設備を導入することができました。
その後、施設工事を進め、2024年5月に念願の「HIDEOUT GOLF STUDIO」がオープン。中山氏からは「商工会の支援があったからこそ、新しい事業に踏み出すことができた」と感謝の言葉をいただきました。開業後は利用者も順調に増え、新たな収益の柱として成長しています。商工会では現在も、会計・税務面などの支援を通じて、中山建築の経営基盤強化をフォローアップしています。

練習風景

HIDEOUT GOLF STUDIO
住 所/〒399-8602
長野県北安曇郡池田町大字会染2315-3
電 話/0261-85-2568
(受付時間/9時~11時、15時~19時、木曜定休)
ホームページ/ https://hideout.nagano.jp/