ONE POINT ADVICE

経営ワンポイントアドバイス

激動の時代だからこそ、
基本に忠実に

飛翔コンサルティング 代表
中小企業診断士

小林 大登 氏

原材料やエネルギーの高騰、最低賃金の引上げ、人手不足、そしてAIの急速な普及。経営環境はかつてない速さで変わり続けています。新しい手法や制度に目を向ける経営者の方は少なくありません。もちろん時代は変化していきますので、新しい手法や制度を取り込むことは大切です。しかし、どんなに時代が変わっていっても、変わらないものがあります。変化の激しい時代だからこそ、その変わらないものに目を向けてみる。そこに経営のヒントが隠れているかもしれません。

【事業とはなにか】

 事業の本質は、お客様のニーズを満たすことです。ここでいうニーズとは、私たちが提供する商品やサービスそのものではありません。お客様が本当に欲しいのは、その先にある困りごとの解決であり、夢や希望の実現です。これは、どんな時代でも、大企業でも小規模事業者でも変わりません。ニーズを満たせば、その対価をいただける。事業はそういう仕組みになっています。激動の時代であっても、顧客のニーズに目を向けることで、経営の軸ができます。

【最初に選ばれる存在になること】

 お客様に最初に選ばれる存在になることが大切です。お客様は、自分のニーズを一番満たしてくれると思う事業者を選びます。わざわざ二番手を選ぶことはありません。行きたかったお店が閉まっていた、行列で入れなかった。そんなときに二番手へ回ることはあっても、最初から二番手に向かう人はいません。

 すべての領域でNO.1になる必要はありません。お客様のニーズは多様化しています。そもそも中小企業は経営資源が限られていますので、すべてに応えることはできません。特に狭い市場(ニッチ市場)は、規模が小さく資本の力が働きにくいため、大手が参入しにくい領域です。ここでこそ、中小企業は力を発揮できます。

 最初に選ばれる存在になるには、顧客満足度を高めることです。顧客ニーズに目を向け、日々コツコツと努力を重ね、商品やサービスを磨いていく。そして、最初に選ばれる領域を少しずつ増やしていく。これが事業展開の基本です。

【お客様の声に耳を傾ける】

 事業とは「いかにお客様の声に耳を傾けるか」といった、修行のようなものです。お客様は私たちにいろいろなことを教えてくれます。
 まずは売上という形で教えてくれます。自社の商品やサービスの売れ行きを並べてみると、よく売れるものと、そうでもないものがあるはずです。よく売れるものには需要がある。つまり、そこにお客様のニーズがあるということです。逆に売れ行きの芳しくないものは、需要がない、もしくは価格や品質などがお客様の求める水準に合っていないなど、お客様のニーズとずれがあることを示しています。
 お客様は言葉でも教えてくれます。感謝の言葉をいただけたなら、単にニーズを満たしただけでなく、わざわざ言葉にしていただけるほどの価値があったということです。そこに自社の強みがあります。要望や問い合わせがあれば、そこには次のニーズが隠れています。

【激動の時代だからこそ】

 私たちの仕事は、お客様の困りごとを解決し、夢や希望の実現を助けることです。お客様の声に耳を傾け、最初に選ばれる存在になれるよう毎日コツコツ努力を重ねる。地味に思えるかもしれませんが、これが激動の時代を渡っていく確かな土台です。ヒントは常にお客様の中にあります。まずは自社の売れ筋を見直し、お客様からいただいた言葉を思い起こすところから始めてみませんか。

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