特集

新規ワイナリーのスタートアップを専門家が伴走支援

信州新町商工会
主任経営支援員 西村 和幸

 ㈱ぶどうやぶは、2020年に誕生した新しいワイナリーです。社長の松本氏は、海外でのワイン留学を経て東京から長野市信州新町へ夫婦で移住し、念願だったぶどう栽培とワインづくりをスタートしました。
 2024年には自社ワイナリーが完成し、本格的な生産体制が整う中、次の事業ステージとして販路開拓やブランドづくりが重要な課題となっていました。こうした状況を踏まえ、信州新町商工会では専門家派遣制度(プロセス・コンサルテーション事業)を活用し、伴走支援を実施しています。

松本社長とご家族。自社農園にて

■アイデアをアウトプットし、具現化をサポート

 専門家には、(一社)長野県観光機構に所属し、ワイン業界に精通した花岡純也氏を迎え、令和7年2月から支援をスタート。以降は1~2か月に1回程度のペースで支援を実施し、1年間で計8回行っています。
 初期段階では、ワイン業界全体の構造や県内ワイン産業の状況について共有し、自社の立ち位置を明確化しました。あわせて、松本社長の想いや描いていたアイデアを丁寧に引き出しながら、価格帯やターゲット層を踏まえたブランディングの方向性を検討。差別化策として、ジビエ料理に合わせた専用ワインのブレンド比率やマーケティング方法について、具体的な議論を進めました。
 また、販路開拓の具体策として、地域の関係者と連携したイベントに着目。松本社長と縁のあった地区内の宿泊施設「さぎり荘」所長・小山氏にも加わっていただき、花岡氏がコーディネーターとなってミーティング形式で検討を重ね、コラボレーションによる集客・PRイベントの企画・実施から振り返りまで含め、PDCAサイクルを意識した支援を進めました。

■集客・㏚イベントの成功を後押し

 支援開始から半年後の2025年7月には、さぎり荘を会場に、ご当地グルメのジンギスカン料理と自社ワインを組み合わせた集客イベントを初開催。続く9月には、県内外への情報発信を目的に、県のアンテナショップ「銀座NAGANO」でPRイベントを実施し、定員20名を上回る参加者が集まるなど、いずれも好評を博しました。
 松本社長は取組を振り返り、「とりあえずやってみようと思っていたことを、力を合わせて形にすることができた。一歩前に進めた」と語っています。企画の規模や内容、集客方法について、専門家の視点から助言を受けながら実行力をつけたことが、成果につながりました。
 現在は、1年間の支援を通じて蓄積された具体的な手法を土台に、さらなるブラッシュアップと新たな展開を見据えた支援2年目に入っています。松本社長とその仲間たちによる挑戦はこれからも続いていきます。

銀座NAGANOでワインとジンギスカン料理
を楽しむPRイベントを開催

事業所情報

株式会社ぶどうやぶ
住 所/長野市信州新町日原東1276-1
電 話/090-6268-6942
ホームページ/https://budoyabu.jp/

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