ONE POINT ADVICE
経営ワンポイントアドバイス
M,biz
前島 登志夫 氏
思うように売上が伸びない、お客様が増えない、赤字が続いている、運転資金に借入依存が続いている・・・改善に苦慮、奮闘されておられる経営者の皆様にお伝えしたい「ビジョン経営」で成すリスタートです。
一般に経営改善は、分析手法を用いて指標、数値に焦点を当てて取り組みます。売上増、変動費削減、固定費低減などに主眼をおいて改善策を考えますが、有効な対策に苦慮します。経営活動の結果である数値の分析から望ましい状態に導く改善策を引き出すことは容易ではありません。意識を向けていただきたい大切な思考と実践プロセスがあります。
経営の目的はなにか、その実現のための経営がなされているか、お客様との間に顧客ロイヤルティ(お客様の信頼や愛着)の関係性が築かれているか、これらが現状で実現できていないとお客様から選ばれないミスマッチが続いてしまいます。要因を明らかにして改革しなければ指標の改善につなげることは難しい。このことに着眼します。

実現する経営の姿(ビジョン)を最上位に据え、経営活動の全てをビジョンのもとに行う仕組みに変えます。実現する経営の姿を明確に言語化したものをビジョンと言います。事業経営は誰のために、何のために、必ず社会に容受される価値を有しています。その価値がお客様に愛着される姿を問い言語化しビジョンを定めます。ビジョンを通軸に据えた経営に変えるのです。ビジョンに照らし業務遂行のあり方をはじめ経営全般を問い直し、着眼課題を明らかにして改革に取り組み、実効性のある成果につなげます。これが経営を立て直し、再出発するための「ビジョン経営思考(フィロソフィ)」です。
飲食業の経営不振からの脱出、再生に例示してみましょう。一般的な方法では、要素還元の手法で個々の要素問題を探っていきます。味の評価、接客レベル、メニュー構成・・など個別要因を掘り下げていきます。そして個々の問題を解決するための方策を検討します。ですが、要素問題の一つひとつを解決すれば経営は好転しますか?この店がそもそも目指している目的は?お客様にご来店いただき食事を楽しむ時間の価値(味・メニュー・接客・店内雰囲気・席仕様・清潔感など)をどのように提供したいのか一体的に訴求できていないとお客様に愛顧される店舗価値はつくられない。ここを起点に取り組みます。
店が実現する真の姿を言語化しビジョンを定めます。店舗経営の全てをビジョンに一体化するために必須のものです。定めたビジョンに照らし、創業以来守り続けてきた、変えてはいけない価値・お客様が求めるものに応えていない課題を明らかにします。次いで自店の強み弱みや市場や競合などプラス・マイナス両面から把握し、課題と対策を導き出します。取り組む内容や、店舗再生の道筋が見えてきますから改革のゴール(成果)を測る重要目標達成指標KGI、達成に向け順調に進んでいるか測る重要業績評価指標KPIを設定した「ビジョン実現の行動計画」を立て実行します。結果、ビジョンが融合した店舗経営を実現し、お客様が得られる利益や満足により、お客様の信頼や愛着の連鎖が機能するようになり経営は好転、求める望ましい指標達成につなげることができるのです。「ビジョン経営」は全業種に通底する経営改革実効の真理です。