支援テーマ

【No.78】経営努力によって売上、粗利が向上!FLコストも大幅改善!

支援者

商工連 上席専門経営支援員 和田 憲
商工会 小川村商工会  副統括経営支援員  中村 仁志

企業概要

 

事業所名 食事処味菜
代表者(相談者)氏名 小松 はま江
所在地 上水内郡小川村高府1502‐2 道の駅おがわ
業種 飲食業
事業内容 飲食店・おやき製造
従業員数 13名
創業(設立年月) 2002年4月

支援の内容

■企業の現状・課題及び支援の経緯
当事業所は、長野市と白馬村を結ぶオリンピック道路沿いの「道の駅おがわ」に食事処味菜と小川村
が世界に誇る郷土食・おやきを製造販売している。コロナ禍で厳しい経営を強いられたが、富山湾
・三陸大船渡港直送の魚介類を使用した名物の「海鮮丼」。信州オレイン豚使用のかつメニュー。
地元産の蕎麦を店内で職人が手打ちした「手打ちそば御膳」等。また早朝4時から作り始めるおやき
は人気である。接客もお客様に寄り添った丁寧で優しいおもてなしの気持ちをモットーにQSCレベル
は極めて高い。現在は多くの観光客が訪れる村の玄関口として繁盛している。

コロナ禍から回復するなかで、売上は確保できるが、利益が伸びず資金繰りを圧迫していた。昨今の
原材料価格、水道光熱費、運搬費等の高騰から仕入、在庫管理を含めた数値分析から現在の価格に
原因があると感じていた。しかし、価格改定の必要性は感じるものの客離れの懸念から価格改定に
躊躇していた。そのような現状から中村副統括と支援に入り。あらゆる商品が高騰する今だからこそ
価格改定は必須であり、全般的に食品の価格高騰している今なら価格改定してもお客様も理解を示す旨
助言した。

■支援内容
仕入れ伝票を全て確認してフード(おつまみ類含む)、ドリンクメニューの原価分析を徹底した。一品一品のメニューの原価率を明確にして小松代表、従業員を含めたミーティングにて説明した。原価率の確認とABC分析を行い数値の共有化をしてメニューの見直しをした。

仕入れ伝票を基に原価を計算した。特に歩留まりの悪い原価率の高い魚介類を使用する海鮮丼のお刺身原価を一つ一つ分析して原価を明らかにした。アルコールを含むドリンクメニューの原価率が高い点を全員で共有できた。今後の価格改定に向けてミーティングで喧々諤々の意見交換を行った。最終的に小松代表を含めた従業員全員一致でメニューの見直しを含めて価格改定を決断した。ついては価格改定はお客様に周知するには最低1か月前には価格改定の告知文を各テーブルに置くよう助言して例文をお示しした。

利益率の高いメニューを大きくして低いメニューは小さく載せた海鮮、おつまみのメニュー表の作成支援を行った。

■支援結果及び今後の展開等
小松代表を中心に洗練されたスキルの高い従業員の日々の努力によって、昼席、夜間の宴席もコロナ禍
前より増えて売上、粗利、営業利益、経常利益ともにFLコストも改善された。

近隣の道の駅の飲食店との差別化が上手く進み、QSCを含めて他の追随を許さない飲食店に成長した。

おやき製造販売においては人気商品であるが、従業員の高齢化に伴い働き手不足で苦悩している。この
課題が解消すればさらなる売上向上が期待できる。

 

 

 

 

 

 

 

食事処味菜
店舗入口

 

 

 

 

 

 

 

コスパ抜群で人気の海鮮丼と手打ちそば御膳

 

支援を受けた企業(事業者)の声

昨今の原材料等価格の高騰で、価格改定の必要は感じていましたが、和田さんに色々とアドバイスを頂き、従業員と相談しながら、思い切って価格を改定したところ、恐れていた客離れも抑える事ができました。本当にありがとうございました。

上席専門経営支援員による所感・メッセージ

小松代表のリーダーシップのもと全従業員一丸となって問題点抽出と改善に真剣に取り組んだ結果、価格改定等を行い大幅に経営改善されました。このような素晴らしい取り組みをされた味菜さんとご縁をいただき当方も大変良い勉強をさせていただきました。ありがとうございます。心より感謝申し上げます。