株式会社エスプリの小宮山 直と申します。当社は北信地区最南端ものづくりの町坂城町で金属加工向けの特殊切削工具の製造販売を行っています。昭和四十九年に創業者である私の祖父が自動車部品加工会社を創業し、下請けでなくメーカーになりたいとの思いから、平成元年に子会社として創業しました。そこから製販一体で顧客のニーズにあったものづくりを心がけています。私自身物心ついた頃から、ものづくりが身近であり、進学のため上京したものの、卒業後は帰郷し当たり前のように自社に入社しました。
商工会青年部長を務めていた父の背中を見てきたため、私も青年部に入部することが当たり前かと思っていましたが、ある時父から「お前には青年部はまだ早い」と一蹴され、困惑したことを今でも覚えています。きっと当時の私には、最後までやり遂げる責任感や使命感が不足していたのでしょう。ほどなく入部した私にとって、同じ境遇の経営者やその後継者に囲まれた環境は新鮮で、私にとっては会社では言えない愚痴などを話せる居心地のいい場所でした。坂城町商工会青年部には、町民夏まつり『さかきどんどん』の子供広場の運営や、大晦日に坂城神社の境内で屋台を開き、売上の一部を町内の教育団体へ寄付する『年末チャリティ』など、歴代先輩方が築き上げてきた伝統ある事業があります。私も一部員として事業に携わり、自社では経験できないことを経験し、青年部活動にやり甲斐と誇りを持てるようになりました。
そんな私の青年部活動での一番の思い出は、コロナ禍真っただ中に青年部長を努めたことです。青年部員はそれぞれの事業所代表であるため、我が強い部員をまとめていくことに加え、コロナ禍で活動が制限される中でどうやって青年部をまとめ活動していけばいいかと不安だったことを覚えています。しかしそんな思いはほんの一瞬で消え、最高の仲間に囲まれ、こんな時だからこそ出来ることは何か、を考え実行することが出来ました。そのひとつが、『坂城町商工会青年部50周年事業』です。歴代OB全員に案内を出し、記念誌の発行、記念式典の準備と慌ただしく過ごしました。また、記念事業の目玉として、昭和55年に青年部初期のOBが立ち上げ発足した「千曲川坂城陣太鼓」を現役部員だけで復活させようと、半年の練習を重ねサプライズで披露したのもいい思い出です。私の陣太鼓参加も記念事業のみで終わるつもりが、今でも陣太鼓メンバーとして、町内のお祭りなどで演奏しています(笑)。
坂城町商工会青年部50周年事業の際に披露した千曲川坂城陣太鼓
製造している金属加工向けの特殊切削工具
株式会社
エスプリ
住所/〒389-0603 長野県長野県埴科郡坂城町大字南条4910-4
TEL/0268-82-8686
FAX/0268-82-8685
URL/http://www.esprit-tool.co.jp/
「この人に注目」をシリーズで毎号掲載しています。商工会地域内で頑張っておられる方をご紹介ください。