21_製品図面・見積書作成システムの導入による受注確保と販路開拓支援[平成30年度]

製品図面・見積書作成システムの導入による受注確保と販路開拓支援 [平成30年度]

支援テーマ

製品図面・見積書作成システムの導入による受注確保と販路開拓支援

支援者

商工会名 安曇野市商工会
担当主任経営支援員等名 田中 良治

専門家

専門家名
主な保有資格
主な専門分野

企業概要

企業名 大三ブロック工業(株)
業種 コンクリート製品製造業
資本金 1,000万円
従業員数 12名

事業概要

創業(設立年月日) 昭和48年3月
住所 安曇野市明科七貴5453
事業内容

コンクリート集水桝、フェンス・ポスト支柱基礎、コンクリート蓋各種構造物基礎、L型擁壁、沈床ブロック製造
[日本工業規格認証取得工場]

支援の概要

◆企業概要

 創業当初は、積みブロック(災害復旧工事に多く使用されるブロック積み工法)の製造のみを本業としていましたが、平成10年の長野オリンピックを過ぎた頃から、需要は年々減少し、売上高が減少傾向となりました。こうした状況を打破するため、即脱型コンクリート(建築用空洞ブロック等の製造に用いられるもの)から流動化のコンクリート(流動性を有した生コンを型枠に流し込む工法で、製品形状が多種多様なものに用いられる)に切り替えて、集水桝・コンクリート蓋などの特注品の製造に取り組み、年々実績も評価されるようになり、30年来の懸案事項であった工場立替による作業効率の向上を図ることができ現在に至っております。

 

◆経営課題

 弊社が扱う受注製品は、少量多品種、特注品が多いことから、何度も発注者と打ち合わせをする必要があります。また、電話やFAXによる受注が多く、電話の聞き取りミスや、FAX文字のつぶれによる誤読等により、製造製品の図面の確定までに時間を要します。見積書作成においては、見積金額を手計算して手書きで作成しており、見積書の作成にも時間を要しています。

 このような状況から、製造依頼から製造の着手に至るまで相当の長時間を要してしまい、短納期が求められる今日の建設工事において、製造依頼が取消されることもあります。

 また、新規取引先開拓のためには、少量多品種品、特注品に対応できるという強みを多くの建設業者に認知していただくことが必要であり、そのためにも営業力の強化が求められます。

 

支援方法

 経営課題の改善に向けて作業効率を高める目的として、簡単に製造製品の図面と見積書が作成できるシステムを導入するために、小規模事業者持続化補助金を活用することとし、3年間の売上目標等の経営計画書の作成支援により、補助金が採択され無事システムの導入ができました。

 

◆支援成果

 システム導入により、製造製品図面・見積書の作成が容易になり、取引先とのやり取りも短時間に対応できるようになりました。このため技術者以外の事務員にも簡単にシステムの操作が出来るようになり、製品の知識向上にもつながり、営業担当者の負担軽減が図れ、新規取引先を訪問する時間が取れるようになりました。
 現在、建設業は人手不足が慢性化し、工事現場で施工に携わる技術職人も不足しているため、工事工程に遅延が生じて工期に間に合わない場合があります。このような現状を踏まえ、あらゆる建設工事現場の要請に応えていこうと平成25年頃から少量多品種を引き受けることにしました。ただ、技術力は有していても、製造に取り掛かるまでにかなりの時間と労力を要していたので、この度の製品図面・見積書作成システムの導入は、顧客に対して迅速な対応ができ、建設業界の皆様からは大きな期待と評価が得られる結果となりました。

 

 

コンクリート集水桝

【コンクリート集水桝

 

工場の全景

【工場の全景

 

 

支援を受けた企業(事業者)の声

 

 このシステムの導入により、作業が容易となり対応が早く行うことができ、全体の流れがスムーズになりました。また、今までの見積もりをデータとして登録させれば、過去データを呼び出したり必要なデータを見ることで対応が良くなるのではと考えています。これらが改善されたことにより、時間がなく断らなければならなかった失注を解消し、また相手の要望により応えられる体制になっていけるのではと考えています。ご支援ありがとうございました。

 

フォローアップ

 今後も、補助制度を含む必要な情報の提供を行うとともに、関係機関、専門家も活用しながら息の長いサポートを続けたいと思います。